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研究ノート

 中国のエネルギー供給は国内に依存し、特に国内石炭生産が重要な位置づけにされている。中国の石炭生産は、豊富な石炭資源に支えられたものである。しかし、中国における石炭資源の半分以上が「三西」地区(陝西省、山西省、内蒙古西部)に集中しているのに対し、石炭消費地は主に東南沿海部である。中国は豊富な石炭資源を保有しながら、石炭の国内輸送能力などに阻まれ、国内石炭の供給能力を十分に活かしきれていない状況にある。こうした中で、近年の経済成長に伴い、中国の石炭供給は国内開発に加え、国外からの調達も行っている。中国の石炭供給動向が石炭輸出入国や世界市場に与える影響は大きい。中国の石炭供給動向を知ることは、石炭輸出入国のエネルギー需給関連政策に寄与し、石炭を含むエネルギー安定供給確保のためにも重要である。

 炭層ガスは、炭層の孔隙内に吸着される形で賦存し、従来の開発方法が適用できないため、非在来型天然ガスに分類されている。また、炭層へのメタンガス吸着量は、亜炭、歴青炭、無煙炭などという具合に、石炭化度が進むほど増える傾向がある。炭層ガスが豊富かどうかは、石炭層の厚さと石炭の品質の2つを主要なパラメータとして評価される。開発にあたって、豊富な炭層ガス資源量の存在と高い浸透率が、商業価値の高さを示す。

 タイトオイル(tight oil)は豊富な資源量が賦存しており、高い開発潜在力を有し、資源供給において重要な役割を果たすことが期待されている。近年の中国では、米国発のシェール層の石油・天然ガス資源開発の成功を受け、シェールガス(shale gas)の次にタイトオイルの研究・開発も高まっている。しかし、タイトオイルの賦存特性が特別であるため、その開発方式や貯留層評価などの面では在来型石油と異なり、開発の困難さは増している。タイトオイルの複雑な賦存地質構造の中で、どのようにタイトオイル貯留層の濃集帯を評価するかが重要な課題となっている。近年、タイトオイルの知見が蓄積され、タイトオイルに関する多くの研究を有することが明らかになってきている。例えば、根源岩に含まれる有機物の含有率や、根源岩の熟成度、貯留層における脆い鉱物含有量などタイトオイル貯留層の評価指標に応用されている。これらの研究により、タイトオイル貯留層の濃集帯の発見機会を増やすことにつながる。その一方、タイトオイルの研究・開発の初期段階にある中国では、タイトオイル貯留層に関する評価において、評価指標の数値のみによって濃集帯の抽出が十分にできるとは言い難い。そこで本稿は、単に独立した個々の評価指標からではなく、2段階の多次元分析を通じて濃集帯の評価を試みる。

 タイトオイル開発において経済性評価は重要な役割を持っており、妥当で説得力のある経済性評価を行うことは石油業界において共通の課題である。本稿では、NPV(Net Present Value)法とリアルオプション法を活用した改良分析法を提案し、タイトオイル開発の経済性を定量的に評価した。タイトオイル開発の経済性は、地質的要因、技術的要因、政策的要因を含む外的要因、といった不確実性に影響され、複合的な効果を生んだことである。分析結果によれば、タイトオイル開発の経済性向上は開発技術の進歩に寄与し、開発技術の進歩が実現すれば、より一層高まる効果が得られる。さらに、優遇政策はタイトオイル開発において重要な位置づけにあり、開発エリアによって異なる促進効果が生じる。本稿の分析結果は、中国におけるタイトオイル開発に限ったものではなく、その他の地域で非在来型石油資源開発事業についても同じような考察と結論になる可能性がある。