近年における中国の石炭供給動向と今後の展望

中国のエネルギー供給は国内に依存し、特に国内石炭生産が重要な位置づけにされている。中国の石炭生産は、豊富な石炭資源に支えられたものである。しかし、中国における石炭資源の半分以上が「三西」地区(陝西省、山西省、内蒙古西部)に集中しているのに対し、石炭消費地は主に東南沿海部である。中国は豊富な石炭資源を保有しながら、石炭の国内輸送能力などに阻まれ、国内石炭の供給能力を十分に活かしきれていない状況にある。こうした中で、近年の経済成長に伴い、中国の石炭供給は国内開発に加え、国外からの調達も行っている。

中国の石炭供給動向が石炭輸出入国や世界市場に与える影響は大きい。中国の石炭供給動向を知ることは、石炭輸出入国のエネルギー需給関連政策に寄与し、石炭を含むエネルギー安定供給確保のためにも重要である。

石炭供給における中国の資源状況、開発状況、石炭開発に関する中国政府の方針、石炭の輸出入動向及び国内石炭の輸送状況などにより、以下のことが明らかになった。

(1)中国の石炭供給は、依然として国内石炭生産に依存している。しかし、近年では、中国の経済減速による石炭需要の低迷や国内外石炭価格差による石炭輸入増、環境問題などの原因で、国内石炭生産の伸び率は低下した。

(2)中国政府は、石炭供給を強化するため、大型石炭基地の建設や大型企業集団の育成などを通じて石炭の生産能力を向上するとともに、鉄道及び港湾のインフラ整備を通じて石炭輸送の状況を改善しようとしている。

(3)近年では、国内の石炭輸送能力や国内外価格差などによる石炭の輸入量は、増加してきた。今後も輸入炭価格が中国炭価格を下回る状況が続き、石炭輸送能力不足が解決されない場合、石炭の輸入量はさらに増加する可能性がある。