オーストラリアの経済指標

オーストラリアの経済指標は、6つ分野に分割することができる。具体的には、金融政策・政策金利、国際収支、物価、雇用、住宅、景気・個人消費である。

金融政策・政策金利分野では、オーストラリアの金融政策に反映される政策金利が説明される。オーストラリアの金融政策は、豪ドルに係わる重要なファクターである。金融政策を読むためには、景気動向の判断材料となる経済指標は重要視されている。金融政策で決定される政策金利は、経済指標が良い場合には高く設定され、経済指標が悪い場合には低く設定される。オーストラリアの政策金利は、RBAが毎月開催する金融政策決定会合で決定する。結果の発表時期は、1月を除く毎月第1火曜日である。また、一般的に、通貨ペアにおける二国間の通貨の金利差が広がる場合、為替の変動は高金利側の通貨にシフトする。ただし、金利差が広がったからと言って、インフレの状況によって必ずしもその通貨が高くなるわけではない。

国際収支分野では、四半期経常収支(四半期ごと発表)、貿易収支(月次発表)を説明変数として用いる。国際収支は、一定期間の外国との資金のやり取りを示す指標であり、経常収支と資本収支に分けられる 。オーストラリアの経常収支(その中でも特に貿易収支)が増えると、豪ドルの支払いよりも受取りの方が多くなり、豪ドル高になる。逆に経常収支或いは貿易収支が悪くなった場合、豪ドルの対米ドル相場は下落する。

物価分野では、消費者物価指数(四半期ごと発表)と生産者物価指数(四半期ごと発表)を説明変数として用いる。消費者物価指数は、一般消費者が購入する商品とサービスの総合的な価格の変動を指数化したものである。生産者物価指数は、生産者の出荷価格の変動を指数化したものである。両者ともインフレの趨勢を見る指標として利用される。物価が上昇しインフレが進行すれば、これを抑制するために金利の引き上げ圧力となる。一般にインフレの数字が高くなれば通貨買い、逆に低くなれば通貨売りとの判断ができる。しかし、高いインフレ率が発生すると、購買力が低下し、その通貨の買い要因にならないと考えられる。

雇用分野では、失業率(月次発表)と新規雇用者数(月次発表)を説明変数として用いる。雇用は個人所得や個人消費に大きく影響を及ぼすため、景気状況を判断し経済政策を左右するほどの重要な指標と位置づけられている。失業率は、毎月の失業者数を労働力人口で除した数値である。一方、新規雇用者数は、該当の月に新たに雇用された人の数である。雇用の改善を見極めるため、新規雇用者数における先月と比べ人数増減が注目される。

住宅分野は、住宅建設許可件数(月次発表)、住宅価格指数(四半期ごと)を説明変数として用いる。住宅に関する経済指標の動向は、個人消費に大きな影響を及ぼすため、景気指標として近年では注目度が上げってきている。住宅建設許可件数は、新築住宅を建てる際に申請を出さなければいけない地域で、新たに建設許可が出た件数である。一方、住宅価格指数は住宅購買力を示唆し、景気後退期には住宅価格指数の上昇率が低い水準に推移する。

景気・個人消費分野は、四半期GDP統計(四半期ごと発表)、小売売上高(月次発表)、を説明変数として用いる。経済全般の景気動向を見るには、実質GDPが最も適しており、注目される指標の一つである。GDPが良い数字が発表された場合、オーストラリアの投資環境が整っているとして、オーストラリアに資金が流れることが想定できる。さらに、景気が良いことから金融引締めが連想されて政策金利が上昇し、そして金利が上昇すれば金利高の魅力から豪ドルが買われる。一方、個人消費は景気判断には欠かせない指標である。小売売上は、百貨店など小売業の総売上を調査したもので、個人消費を判断する指標の一つである。