中国の経済指標

近年、オーストラリアの最大輸出相手国である中国は、オーストラリアに対する影響力が大きくなりつつある。中国経済が好調すると、資源を含む輸入が増加し、これは対オーストラリアの輸入においても増加すると推測される。また、対オーストラリアの輸入増は豪ドルの需要増加に繋がり、豪ドル高になると考えられる。これに対し、中国経済が低迷すると、豪ドル売りの動きは強まる。中国ブロックでは、国際収支、生産、物価、景気・個人消費の4つ分野に分割されている。

国際収支分野では、貿易収支(月次発表)と外貨準備高(月次発表)を説明変数として用いる。近年の中国は貿易大国であり、中国の貿易収支の格差は市場の注目を集めている。一方、外貨準備高は主に対外支払いに用いられ、実質購買力や自国通貨の強弱を判断することができる。

生産分野では、鉱工業生産(月次発表)、固定資産投資(月次発表)、製造業PMI(月次発表)、非製造業PMI(月次発表)、HSBC製造業PMI(月次発表)、HSBC非製造業PMI(月次発表)、HSBCサービス業PMI(月次発表)を説明変数として用いる。中国の産業構造は第二次産業の割合が高いため、生産に関する経済指標が好調すると、中国の景気見通しの明るさが増していることが示される。鉱工業生産は中国国家統計局が発表し、中国経済の見通しを見極めるものである。固定資産投資は中国国家統計局が発表する統計で、農村部を除いた都市部の建築工事や設備工事費を集計したものである。PMI(Purchasing Managers' Index)とは、景気の先行きを示す指標の一つであり、製造業の購買担当者に生産意欲などをアンケートして指数化したもので、50%を上回れば景気拡大、下回れば景気後退を示唆する。中国のPMIに関する指標は、中国国家統計局とHSBC(The Hong Kong and Shanghai Banking Corporation Limited)の二つ種類がある。

物価分野では、消費者物価指数(月次発表)と生産者物価指数(月次発表)を説明変数として用いる。消費者物価指数と生産者物価指数を見て、中国におけるインフレの状況を知る。インフレは、継続的に上昇して貨幣の価値が下がることになり、購買力が低下する。そのため、中国のインフレが加速すると、オーストラリアの対中輸出の見通しが悪化するとの懸念が広がり、豪ドルは下落する傾向がある。

景気・個人消費分野は、四半期GDP(四半期ごと発表)、小売売上高(月次発表)を説明変数として用いる。中国の景気及び経済を観測する際に、GDPと個人消費をよく見る。中国GDPの良い数値が出た時に豪ドル買い傾向があるのに対し、悪い数値が出た場合には豪ドル売り傾向がある。また、中国経済は今まで安価な労働力を背景に輸出の拡大し、高い成長率を記録したが、今後では世界的な不景気の中、内需を支える個人消費の伸びが牽引役となると考えられる。中国の個人消費の動向は、小売売上高の動向を通じてある程度把握することができる。