非在来型資源であるタイトオイル開発の成功要因

非在来型資源であるタイトオイル資源量は豊富に存在していると推定され、有望なエネルギー資源となる可能性を秘めている。近年では、これまで開発方法が実用化されておらず、採算性も極めて悪いタイトオイル開発は活発化してきた。タイトオイルの開発を可能にした要因は大きく、①地質的賦存要因、②技術的要因、③外的要因、であると考えられる。

地質的賦存要因は、タイトオイルの賦存特性や賦存状況を指す。タイトオイルの地質的賦存特性などを分析し、経済的なタイトオイル開発に有利な条件が整った貯留地帯を評価することは、タイトオイル開発の基本であり、開発の成否を左右する。

技術的要因は、タイトオイル開発をめぐる開発技術であり、タイトオイル開発において重要な鍵になっている。タイトオイル貯留層の浸透率も孔隙率も低いため、井戸を掘削しても商業量の石油を生産することができない。タイトオイル開発の経済性をあげるためには、開発技術の工夫が必要である。水平坑井およびフラクチャリング(水圧破砕法)などは、開発の経済性をあげる方法である。水平坑井は、従来の垂直坑井に比べて貯留層との接触面積が大きいため、石油の回収率を大幅に向上させる。一方、フラクチャリングは、低浸透率の貯留層の流動性の改善を通じ、石油の生産能力を改善させることができる。こうした技術進歩によって開発の効率が上がり、タイトオイルの生産性を向上させる。

外的要因は、主に規制緩和や原油価格などタイトオイルの開発を取り巻く環境である。良好な外的要因は、タイトオイル開発にとって不可欠である。米国では、長期的タイトオイルを含む非在来型資源開発に対するに資金投入や規制緩和を行っている。米国政府による規制緩なしには、タイトオイルを含む在来型資源開発の成功はないと考えられる。また、原油価格は非在来型資源の開発にも影響与える。2004年に原油価格が高騰を始めると、非在来型資源開発の状況は大きく変化した。原油価格の高騰により、タイトオイルの生産は採算に見合うものとなり、その開発が進められるようになった。

タイトオイルの開発が最初に成功したのは、米国におけるWilliston盆地のBakken層である。Williston盆地では、1950年代に出油が確認されたものの、開発技術や原油価格などから採算が合わず、開発の商業化にはつながらなかった。2000年以降、開発技術の進歩に加え、原油価格も高騰しつつあり、シェールガス開発の成功を受けてタイトオイルの開発が進められている。さらに、米国政府は2005年、エネルギー安全保障へ取り組む内容を中心とする「エネルギー政策法(Energy Policy Act of 2005)」を制定し、国内石油・天然ガスの開発を推進している。米国では、Williston盆地のほかにメキシコ湾Burgos盆地のEagle Ford層や、Powder River盆地のNiobrara層などでタイトオイルの開発が行われている。

この結果、米国の石油生産量は、タイトオイルの増産により2010年から大幅に増加し、2015年には1日当たり900万バレルに達した。また、2015年のタイトルオイル生産量は、全米石油生産量に占める割合が50%を超えている(U.S. EIA, 2017)。こうした状況は、タイトオイルの開発の良好な見通しを示すものである。

世界の各地でも豊富なタイトオイル資源が発見されている。米国エネルギー情報局(EIA: Energy Information Administration)が2013年6月に発表した資料によれば、世界のタイトオイルの可採資源量は3,450億バレルと評価されている。主なタイトオイルの資源保有国は、ロシア、米国、中国、アルゼンチン、リビアなどの国である。また、非在来型資源量の評価は、科学技術の進歩につれて資源に対する認識や解析、調査方法などが変化することによっても変わる。こうしたことにより、タイトオイル資源の潜在力は、世界の石油供給に大きな影響を与えると考えられる。現在の段階では、米国のほかに、カナダ、ロシアなどの国でもタイトオイル開発が行われている。

出所:X., Liu. Characteristics of tight oil reservoir and China's tight oil resources. Journal of the Japanese Association for Petroleum Technology. 2018, 83(1),94-102.